Adventures in Ville

生まれも育ちも奈良県民なワタシが、東京という大都会のど真ん中でいろいろ出くわす冒険記です。

お一人様ランチのススメ

久々の投稿は、カサンドラネタ、一時休止編。つれづれ日記でひと休み入れます。

(←前回かなり中途半端に終わっておきながら)

 

人から聞いて気になってお初に踏み入れてみた和食ランチの話。

 

一見さんお断り的な店構えだけど、おススメしてくれた人が入ったんなら、と思って勢いよく引き戸をガラッと開けるも、想像以上に一見さんお断りな空気。

 

-いらっしゃい-

 

のあと、広がるお座敷風カウンターまでに、え、靴脱ぐ系!?となってるも、靴を入れるところもなく、

 

スリッパもなく、ここにこのままぬぎっぱOK?

 

いや、ていうか、だれかなんかいうて〜〜!おしえて、おじいさーん!

 

と心の中で叫んでいることは包み隠して、石坂浩二ばりに知ったかぶり風で靴を脱いで中に入る。

 

カウンターの向こう側に板長的な存在感の板長(←結果決めつけた)と、その奥に、童顔な見習い的な男の人の2人がいたけど、いらっしゃい以降、何も言わない。

 

…目の前に広がるカウンターには一番左端にぽつんと女性が座っているだけで、あとは右に8席ほど空席が並ぶ。

 

「えっと…どこでもいい感じですか」

 

と、ようやく聞いてみると、

 

「いや、こちらからどうぞ」と先にお一人様ランチに来られた左端の女性の方を指すので、あぁ、はいはい、とこれまた石坂浩二第2弾。

 

で、女性のとなりに座ってみるも、落ち着いて考えたら、右には席がこんなに空いているのに、わざわざすぐとなりに座らんでも、こんな広々したところでまるで知り合い?な距離感て、よう考えたらめっちゃ気まずいやん…。いや、でも、カウンターランチってそんなもん?

 

と何が正解かわからずモヤモヤした挙句、ついに、となりを向いて、

 

「…こんな広いのに、すぐとなりってきゅうくつじゃないですか?横、ずれましょうか」

 

と、意を決して聞いてみる。

 

女性はいきなり切羽詰まった感じで尋ねてきた私に驚きを隠せない様子で、

 

「いえいえ、そんなことないですよ。どうぞどうぞ」

 

と言ってくれたのでますますなんだか1人パニクってる人みたいになってしまった。そら、こんな状況で、そうですね、そしたら一個ずれてもらいましょか、なんて言えるツワモノはいないだろうし、結局一体何が正解だったのだろう…。

 

そんなこんなで、超知り合いで来た距離感で、黙々とカウンターに置かれる品を取っては食べ、取っては食べ、と各自それぞれの世界でランチタイムを過ごし、なんの接点も感じることはなく最後の甘味に手を伸ばした時、奥でお店の2人が話し出したのを聞いて、意外な事実に思わず目を挙げた。

 

「あのさ、○○の番号わかる?なんかあったら、連絡して」

 

と言って店から出て行ったのは、まさかのあの童顔の見習い風な男性の方で、その後から、

 

「はい」

 

と返事をする板長。えー。そっち!?いや、絶対風貌からして逆やーん。

 

あまりに面白すぎたけど、どんな美味しいものも、楽しいことも、誰とも分かち合えないのが、お一人様の運命。

 

だから、お一人様ってなんか楽しめないんだよな〜と思いながら、時を同じくしてとなりの女性も「!?」な感じで目を挙げているのを、横目でしっかりキャッチした私は、どことなく仲間を得た気持ちになれたのでした。

 

いや〜、そっちやったか。