Adventures in Ville

生まれも育ちも奈良県民なワタシが、東京という大都会のど真ん中でいろいろ出くわす冒険記です。

桂三四郎 月亭方正 二人会をレポってみた件

去る12月15日(日)は、久々に桂三四郎さんの落語を生で観に行かせていただきました。

 

その前の週には、笑点に堂々出演で、しっかり上方の存在感を示されていた三四郎さん。今年後半の自分へのご褒美が、2週連続でやってきた感じでした。

 

…が、二人会当日、超ド級の方向音痴な私と、これまた同レベルの友達は、どこをどう進んでもiPhoneの地図の目的地までの所要時間が一向に減らない謎の現象と向き合いながら、会場に着くこと開演5分後(泣)。

 

始まりは前座さんの「やかん」の序盤だったので、セーフ(←いや、もう始まってる時点でアウトやし)

 

空いてる席、空いてる席は…と、見渡すも、ぎっしり。2人並んで座れるところはまず見当たらない。すっご!

 

止むを得ず、それぞれ別の席に着くことにし、私はというと、最後部座席に座られているお着物を着こなしてお化粧も業界人バリにバッチリなお姐様方のお隣にちょこんと座らせてもらいました。もはや、のっぺらぼうの方が親近感わくんちゃうかと思うほどに、目鼻立ちがゴージャスでした。

 

会場到着後はどうしても落語モードに切り替わる前に目で観察モードが抜け切れず、やたら立川幸七さんの髪の毛の分け目の直線加減がすごいな、あれ、シャンプー後、何もせんでもパキッと分からんのかな、とかいらんコトを考えること数分。

 

そんなこんなな開口一番(←所感の中身薄さよ…(詫))のあとは、三四郎さんの登場!

 

さすが、差し入れギフトもほぼ三四郎さん宛てということもあってなのか(←方正さん談)、「よっ!」的なかけ声で場内も湧き上がる中、お出まし。

 

最初の一席は、「世間の車窓から」。

 

この噺、個人的には、関西のおばちゃんあるあるが盛り込まれているあたりが超ツボで、特に、こんな時に!?ってシチュエーションでもとりあえず外の天気を知りたがる自己チューさの描写が、実家の母と被ってめっちゃさいこー(語彙力乏し(恥))。

 

飯能行きの電車でザ・ハイキング装備のおばちゃん達を見るたびに、このネタ思い出します。

 

そして、2席目は、月亭方正さんで、「鼠穴」。方正さんも、ワタシの隣に座ってたおっちゃん他数名の「待ってました!」が会場に鳴り響いてました(←隣のおっちゃん、マスク越しにめっちゃ声出るやーん、となるほどに)。

 

この古典落語、ワタシは初めて聴いたのですが、すごく話に入り込めたのは、もはや方正さんが山崎邦正ではないゆえの腕を見せていただいたからなのでしょうね。

 

兄弟のやりとりはマジで泣けました。

 

ただ、これまた個人的な好き嫌いになりますが、私の耳は、ある特定の声色に非常に敏感なようで、開口一番の前座さん(名前すら聞きそびれて後から三四郎さんのFacebookで知ったという、ほんまごめんなさい)もそうだし、方正さんも、他の落語家さんもだけど、登場人物のキャラによって出す、しわがれ声?ダミ声?が、どうしても無理なのだなぁ、と改めて認識しました。ガラガラした声の方が気になって話が入らなくなることもあり、残念無念。

 

その点、三四郎さんは、「世間の車窓から」で、総勢13人ほど(ザッと数えて。ほんまはもっといるかも。しらんけど。)のキャラクターを声や仕草、表情で的確に使い分けているけど、声はどれもクリアに通っていて聴きやすいので、抜群に評価高いのです(←だれ様やねん)。

 

そんなこんなで、中入りとなり、お手洗いに行ったらめっちゃIKKOさんみたいな人いるやん!と思ったら右隣の姐御のお連れの方(女性)でした。そういや、随所の笑い方も色っぽくて、最初はそれが気になって、同性なのにドキドキしましたがな。

 

中入り時点で21時前!?という時間配分で、中入り終わってすぐは、再び方正さん。

 

どうやら、方正さんの演目として有名らしい「閻魔大王」というお噺で、簡潔でわかりやすく、その時に旬なエンタメネタも盛り込みつつ、芸能人を天国行きか地獄行きか決める閻魔大王が登場するネタでした。

 

方正さんの芸能界の様々な方との関係性もちょいちょい窺えて、いろんな意味で面白く、オチもなるほど、上手いなぁと(←ほんでワタシはダレやねん)。

 

最後は、三四郎さんの「竹の水仙」。

 

三四郎さんの落語は創作のみならず、古典においても、ビギナーでも非常に入りやすいように随所で工夫がなされていて、何度聞いても、そしてオチがわかっていても、ほんとに面白い。

 

初めて聞いたらもちろん新鮮な笑いで、2回目以降は、笑いのポイントがくるぞくるぞと待ちに待ってからの安定の爆笑。

 

これって、関西の笑いなのでしょうか。落語とは全然違うけど、吉本新喜劇なんかも、この人は必ずこうボケるってわかってても、それを待ちながら笑う準備体操してる自分がいるし、わかるから飽きるというのではなく、その人だけができる名人芸たるやを観せてもらった気分になるのにな。関東圏出身の人が新喜劇はしょうもないという感想も聞いたことがあるのでね。文化の違いなのかなんなのか。

 

ま、それはともかく、三四郎さんは噺の中に約5分間隔で笑いを持ってくる気がしていて、人情噺でうるっと来たとしても、その間、間に盛り込まれる笑いのポイントの多いこと。笑い、めっちゃ欲しがるなぁ〜!と思いながら笑ってしまうのです。

 

やはり三四郎さんをがっつり観に行くなら、独演会がベストだなと思いつつ、方正さんの知らなかった落語家さんとしての一面が見られたので、収穫は多かった会。

 

最後の三四郎さんのお辞儀の所作も美しく、幕が下りる間もずっと鳴り止まない拍手に、何度か目を上げ、会場を見渡すようにされるお顔は、安堵感と感謝にあふれていたように見受けました。

 

愛されている落語家さんの会に行くと、会場全体が平和な空気に包まれているものでして。

 

そして、キレイな女性のお客さんがやたら多かったようにも思いましたw

 

次は2月のまくらだけの独演会、行けるかなー。絶対面白いのに、いろいろ調整つかずまだ聞きに行ったことのないまくらだけの独演会、来年こそは!を豊富に今年も残すところあと少し。最後に笑いをチャージした夜でした。