Adventures in Ville

生まれも育ちも奈良県民なワタシが、東京という大都会のど真ん中でいろいろ出くわす冒険記です。

カサンドラの産後クライシス 〜その3〜

赤ちゃんが生まれて退院するまでは、たった30分でも赤ちゃんの顔が見たくて、抱っこしたくて、夜病院に来てくれていたオット氏は、退院後初めての週末の始まりに、私が地雷を踏んだせいで、その日から音信不通となってしまった。

 

…いやいや、私が地雷を踏んだせいとか、思ってる時点でカサンドラですから。私のせいではなく、そんな地雷を抱えているアスペ疑惑なオット氏をなんとかせないかんのです。

 

とにもかくにも、その時はまだまだ自分のせいだと絶賛思い込み中だった私は、メッセンジャーでひたすら謝りまくり、顔を見に帰ってきてほしいと訴えるも、無視。

 

いろいろ知恵を絞り、行き着いた作戦は、「買い物おねだり作戦」。

 

私や赤ちゃんに会いに来なくとも、赤ちゃんに必要な○○を買って届けてほしい、と言えば、ある程度の責任感からアパートに立ち寄ってくれるのではないか、と。

 

すると案の定、

 

「わかりました」

 

とだけ返事があり、次の土曜に待ってみると…。

 

日中、急に玄関のドアが開いて、ドサッと音がして、何かと思って玄関の方に行くと、大きなビニール袋に、お願いした品々が入っていた。

 

今だったら、

 

「お母さん!サンタさんがやってきたよ!」

 

と、呆れて笑い飛ばせるだろうところだけれど、そこはまだまだカサンドラまっしぐらな私は、あまりにもショックで、ついに、苦渋の決断をすることに。

 

「お母さん、ほんとならもう少し長めに、手伝ってほしいところだけど、これ以上この状態が続いたら、夫婦として危機を迎えそう…」

 

産後の回復がよろしくなく、痛みで座っても立ってもしんどい状態だった私を心配しながらも、そこまで言うなら、とその次の週末に帰ることになった。

 

泣く泣く母を見送り、そんな母に礼を言うどころか、顔も見せずにのこのこ帰ってきたオット氏。

 

それからは、まるでいじめっ子に取られたぬいぐるみを取り返したかのごとく、土日は一日中抱っこし、(←なんなら、トイレにまで抱っこで連れて行くほどの狂気)、平日の夜も、私は安眠を確保してやると別室で寝かされ、オット氏は肌身離さず添い寝をし、夜泣きのたびにオムツを替え、それでも泣きやまなかったら私のところに捧げに来る、という日々。

 

ワタシとしては、赤ちゃんと一緒でねむれないとかは全くなく、むしろ、一番精神的に不安定な時期にひとりぼっちにさせられたことで余計に悲しくなり、泣きながら別室で眠りにつこうと必死に歯を食いしばっていたことを、彼は一切知らない。

 

母としてのワタシを真っ向から否定しようとしてるんだと被害妄想で不安定になりすぎて、いっそ死にたいとまで思いながら過ごした薄暮の時を、彼は一切知らない。

 

ワタシのところにきたら、スッと泣き止み、眠る赤ちゃんを見て、悔しがり、私に辛く当たるという悪夢。もう二度と経験したくないし、今、改めてアウトプットしてみても、やっぱり異常すぎる。

 

よく耐えたな、ワタシ。

 

あれから4年いろいろ知ってしまった今、彼が変わることに期待ができそうにないというところまでうすうす知ってしまった今、2度目の産後クライシスはもうたくさんなのです。