本のレビューを書いてみるカサンドラ
7月から久々にアプリを開いてアクセス解析してみると、2週間以上更新してなくても日々ちょびっとココを訪ねてくれてる人がいるらしいことがわかる。
しかも、定期的なのか、何も書いてないのに訪れてくれてるのを見ると、
「え。なに。もしや知り合い!?」
と、ちょっとヒヤヒヤしてしまう。ええねんけど。
そんなこんなで(←どんなこんな?)、先月から、しばしの平穏な日々を過ごしております。
この平穏がまたいつ崩れるのかはわからないけど、崩れた時に自分が思い出せるように、ある本のレビューをまとめてまようかと。
その名もズバリ、
「夫がアスペルガーと思ったとき妻が読む本」。
世の中に、こんなにも適切に誰がどんな時にどうすべきかをタイトルにしてくれている本があろうか。
「カレーをルーから作りたいときにシェフが読む本」(いや、シェフなら修行で知ってるやろ)
とか、
「iPhoneのイヤホンコードを元どおりにケースに収納したいときに読むサイト」(これはリアルにあるやつ)
ばりに、ターゲットと解決すべき課題が明確な商品名にすると、ものすごく購買力って高くなるんではなかろうか。
それはさておき、この本、夫がアスペルガーと診断されていなくても、「…ぽい?」くらいでも一度読んでみるといいかもしれない。
逆に、「絶対そう。診断もされましたし。もう耐えられなくて、耐えられなくて、同じ部屋の空気を吸うのも辛すぎるんです。」という人には、むしろ読み進めるのは過酷かもしれない。
というのも、これまでサイトなどで読んできたほとんどの場合、解決方法は明示しないか、明示したとしても、「一緒にいると辛い」→「とりあえず、どんな方法でもいいから身を離しましょう。」というアドバイスが多い気がする。
「…とはいえね、急に『別居しましょう』とか、『しばらく実家に帰らせていただきます』というような事が言える関係性やコミュニケーション可能環境が、あるなら、カサンドラになってませんがな」
と言いたくなる人がほとんどじゃないんかな?
もちろん、確かに病んでしまってからは大きな決断はしちゃいけないし、できないし、まずは自身の健康回復を優先すべきなので、それを考えると身を離す効果は絶大。私の場合、単身赴任が始まることになるという、予期せぬ環境変化を通じて、ひょんなことからカサンドラというワードを知ることになったので、ほんと稀というか、神様って優しいな、と思わされたというか。
そんな私は、身を離した期間中に、実は脱カサンドラの道を一歩一歩進ませてもらってたのか、という事を、本を読みながら思った。
読んでる中で、新発見も多少はあったけど、「あ〜〜、はいはい。ほんま、それな」と思う事が非常に多く、「きっとこれぞアスペ的事象なんだろうな」程度で感じていたことを、専門家が断言しているのを読むのはもはや爽快で、腑に落ちることがたくさん書かれてあった。
でも、解決法は、身を離すことではなく、「こういう思考回路であることを理解した上で、こう言ってみる」「こああいうシチュエーションでこう言わしたければ、こうする」みたいなアドバイスがあり、結構的確。
例えば、正面から膝を突き合わせて、「どうして旅行に連れてってくれないの!?」と言うと、ASの人は、大抵の場合、自分が否定されたという事実が先行してシャットダウンしてしまうけど、一般的な課題としてポーンと空中に投げられたタスクは、解決すべき事柄と捉えられやすいのだそう。なので、たとえばふと独り言のように、
「へ〜。今の時期って、〇〇のヒマワリが綺麗なんだよな〜」
と呟くと、それに反応して週末のプランに含まれていたりする。めっちやわかる。
そして、他とは違い、最終的なゴールとして、「定型同士では到底達することのできない深い絆を結ぶ関係に至れる」ことが書かれているのは、正直目から鱗だった。
もちろん、みんなが皆、そうなれるとは謳ってないし、そうなることだけがファイナルアンサーではないこともわかる。読む人のシチュエーションによっては、逆に辛くなるかも、と思ったのはそういうところ。
ASもひとりひとり全く同じ行動や思考の人はいないので、私の場合の話になるものの、これから何回かに分けて、書かれていた中身を自分の通ったところからバッサリ斬ってみようも思います。