Adventures in Ville

生まれも育ちも奈良県民なワタシが、東京という大都会のど真ん中でいろいろ出くわす冒険記です。

ウチの利用者さん その3

このたび、ウチの利用者さんは、一時的に我が家の利用をストップされることとなりました。

 

世間一般的には、いわゆる単身赴任というやつなのかもしれませんが、ウチの場合、期間は不明、育児や家事から完全に撤退することに、特に罪悪感を覚える様子もなく、精神的にも既に途切れた関係の中、姿が見えなくなるからと言って、今更特に変化はなく。

 

近くに住む義父母からは、申し訳なさそうに、困ったことがないかと聞かれるものの、

 

「しいて言うなら、あなたの息子が1番の困りごとですけど」

 

と心の中で呟きながら、笑顔を浮かべて、一言。

 

「もう、慣れましたから」

 

夫婦揃っていても、困る時は困るし、単身赴任で1人になっても、きっと違う類の困りごとはあるわけで、生きている限り、困ったことがなくなることは、きっとない。

 

でも、ほんとなら、私の願う夫婦像によると、何かで困ったとき、隣で一緒に困ってくれて、あーだこーだ言い合いながら考えてくれて、結果、解決に至らなくても、一人で困りごとに立ち向かう不安や孤独から救ってくれる存在が、伴侶なるものだと思ってた。

 

私の両親は、喧嘩もしながら、そうやって2人でたくさん切り開いて、私を育ててきてくれたのを見てきたから。

 

知らず知らずのうちに、それを求めてしまうんだ。

 

夫婦にも、家族にも、いろんな形があっていいはずなのにね。

 

世界で一番親密な関係だと思っていた夫婦という関係に、飛び込んでみて初めて知った、私史上最大の孤独。

 

一緒にいるのに孤独。

 

離れていたら、さらに孤独。

 

最初はそれでもいいと思ってた。いつか変わると思ってた。

 

でも結局、いつも気づけば追い求めてしまっている理想の夫婦像で自分自身を縛るのをやめない限り、私はずーっと不幸を背負うことになるんではなかろうか。

 

いっそこのまま、我が家と言う名のB&Bを、閉じてしまえたら楽なのに。